今月は久しぶりに特集を組みました。テーマは一代雑種です。
雑種*1という言葉を聞いたことがあると思います。特にイヌは雑種がたくさんいますよね。 一代雑種は一般にいう雑種と同じく異種間交配させて生まれた動物のことをいいます。 ただし、雑種と違うところは子孫を残さないということです。
*1 異なる品種や動物同士を交配させて生まれた種のこと。 極端な例ですが、イヌで例えると秋田犬とチワワを掛け合わせるようなこと。
一代雑種は子孫を残さないと書きました、なぜでしょうか? 実は一代雑種と呼ばれるものは一般に繁殖能力が無いといわれているからです。 つまり交配しても子供を産むこと(正確には子供を作ること)が出来ないのです。 ということで自分限りの世代、つまり一代のみの雑種ということで一代雑種と呼ばれるのです。
さて、一代雑種の説明が出来たところで実際にどういうものがいるのか紹介してきましょう。
まずは、雄ロバと雌ウマを掛け合わせたラバという動物です。 ラバは一代雑種の中ではよく作られる動物です。 というのもウマの力強さとロバの頑丈さと粗食に耐える力を兼ね備えたすばらしい動物だからです。 寿命も比較的長くて、今も人間と共にラバを家畜として使う地域もあります。
ラバの逆で雄ウマと雌ロバを掛け合わせたケッティという動物がいます。 ただしこのケッティはラバと違って全く役に立ちません。 体の小さい雌ロバが母体となるので体が弱く労役に耐えられないのです。 という訳なので、ケッティが作られることはほとんどありません。
他にもたくさんの一代雑種がいます。ここではいくつか簡単に紹介します。
馬の仲間では次のようなものがいます。 雄シマウマと雌ウマを掛け合わせたゼブロース、この逆で雄ウマと雌シマウマを掛けたホーブラ。 雄シマウマと雌ロバのジンキー、この逆のゼブロイドなど。
ネコ科動物では、非常にたくさんの種類があります。 雄ヒョウ雌ライオンを掛け合わせたレオポン。 雄ライオンと雌トラのライガー、この逆のタイゴンなど。 この他にもジャガーとヒョウやトラとヒョウなどたくさんの例があります。
最後の方はいろんな動物が出てきてややこしかったかもしれませんね。 本文にも書きましたが、どれも繁殖能力がなく子孫を残すことが出来ません。 ただ唯一レオポンだけは何頭かの子供を産んだそうです。
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