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第43号:ウシ

LastUpdate 03.08.16

はじめに

先月はお休みでしたので久しぶりの更新となります。 今月は、人間にとって最もなじみ深いウシについてです。

ウシ

ウシを知らない人はいないと思います。 今は家畜化されて、人間に牛乳や美味しい肉を提供してくれていますが、 もともとはオーロックス種という野生動物でした。今から5,6000年前に家畜化されて、 現在まで少しずつ改良を重ねて様々な種が誕生しました。 現在、有名なところではホルスタインや黒毛和種・ジャージー種などがいます。

ウシは働き者

ウシは人間が家畜化した動物の中でも最も働き者で役に立つ動物です。牛乳や肉はもちろん、 農業機械が発達する前は農作業にも利用されていました。 あと皮も利用します。よく財布などで牛革っていうのがありますよね。

牛乳

ウシといえばやっぱり牛乳でしょう。牛乳をとるために飼育されるウシを乳用牛といいます。 乳用牛の中でもホルスタイン種というウシが最も利用されています。 年間乳量が他のウシに比べて多く、平均4t〜5tもの乳量をほこります。 優秀なものはもっとたくさんの乳を出すそうです。ホルスタイン種の他には、 濃厚な乳を出すジャージー種やブラウンスイス種などがいます。

美味しい牛乳

ところで、牛乳を購入するとき何か気を付けていることはありますか?消費期限?脂肪分? いろいろ思いつきますが私の場合、乳脂肪分(固形脂肪分)・低温殺菌・ホモジナイズを重視して選びます。 乳脂肪はみなさんご存じですよね。これが高いほど濃厚な味がします。

次に低温殺菌というのはその名の通り低温で殺菌処理した牛乳のことです。 通常、牛乳は殺菌するときに130度前後の高温で2,3秒殺菌するのですが低温殺菌の場合、 65度くらいの低い温度で30分くらいゆっくりと殺菌します。 こうすると牛乳独特の匂いが少なくなり、飲みやすくなるのです。 牛乳の匂いがダメという人は低温殺菌牛乳を試してみてください。

最後にホモジナイズです。これはほとんどの人が知らないと思います。 通常、牛乳はホモジナイズという成分均質化処理をされます。これは、牛乳をホモジナイザーという機械にかけ、 脂肪球という粒子の大きい脂肪分を破砕して、その他の成分と均質になるよう処理することを言います。 ホモジナイズされた牛乳は誰にでも飲みやすくなって良いのですが、どうしても味が薄く感じてしまいます。

そこでごくまれですが、ノンホモ牛乳というものが売られている場合があります。 これは前述のホモジナイズをしていない牛乳のことで、ほぼ絞りたての状態を保っています。 ノンホモ牛乳をしばらく安静に放置しておくと乳脂肪分が分離してクリームの層を作ります。 ちなみにこのクリームはバターになる部分です。ノンホモ牛乳はいわゆるコクがあってとても美味しいです。 見つけたときは迷わず購入しましょう(^_^)

これら乳脂肪分の高いもの・低温殺菌・ノンホモの三点を満たした牛乳は、 牧場で飲むものとほとんど同じで非常に美味しいです。ですが、 三つとも満たしたものはそうそうありませんので、私としては比較的よく見かける低温殺菌牛乳をお勧めします。 今まで飲んでいた牛乳と比べてみるのもいいでしょう。きっと味の違いに驚くはずですよ。

肉牛

ウシのもう一つの利用方法は肉をとること。アメリカなど外国では赤身の多い低脂肪な肉が好まれ、 日本では脂肪が程良く入った肉が好まれます。 そのような好みの違いから日本では黒毛和種というウシが肉用として有名になりました。 黒毛和種とはあまり聞き慣れないかもしれませんが、黒毛和牛なら聞いたことがあるでしょう。 ちなみに、松阪牛や前沢牛などと名前のついているものはそういうウシがいるのではなくて、 単なるブランド名であり全て黒毛和種という同じウシなのです。

あとがき

今回はウシを取り上げました。生態よりも牛乳や肉の話の方が長くなってしまいました。 でも、「美味しい牛乳」のところで解説した通りやっぱりノンホモ牛乳は美味い! 低温殺菌牛乳も美味しいので見つけたときは買って飲んでみてくださいね。

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