今月はビーバーです。ネズミやリスなどと同じ齧歯(げっし)目*1に属します。
*1 動物を分類するときに使う用語。上から界,門,綱,目,科,属,種(種は一般に動物名)となっている。 ビーバーの場合は、動物界-脊椎動物門-哺乳綱-齧歯目-リス亜目-ビーバー科となるが、 実際はもっと細かく分類されている。
上でも説明したとおり、齧歯(げっし)目に属していて、リスの仲間になります。 ネズミの仲間ではありません。ビーバーはヨーロッパや北アメリカの森にある川や湖などの水辺にすんでいます。 齧歯(げっし)目の中では体が大きく体重が20kgもあるビーバーもいます。
水辺にすんでいることもあり、泳ぎや潜るのがとても得意です。 得意なだけではなく、早く泳ぐことができます。その秘密は後ろ足と尾にあります。
後ろ足には水かきがついています。これだけでも早く泳げそうですが、秘密は尾にもあります。 ビーバーの尾は大きくて平べったい形をしています。 ボートに使うオールのように舵を取ったり、こいだりできます。
この便利な尾ですが欠点もあるんですよ。 体に比べてあまりにも大きいため陸を歩くときはじゃまになるんです。 大きな尾を引きずって歩くので水の中では素早いビーバーですが、陸ではとてもノロノロとした動きです。
人の世界では洪水を防いだり水を確保したりと重要な役目を持つダム。 ビーバーたちは自分の巣穴として、また天敵から身を守るためにダムを造ります。
まず丈夫な歯で木を切り(かじり)倒して川をせき止めます。 その後、泥や石で巣穴を作って隙間を土や草などで丁寧にふさぎます。 天敵に襲われないように出入り口は水の中に作ります。 非常用の出入り口を作ったり、水が凍っても大丈夫なように深いところにも出入り口を作っています。
ダムを造る材料となる木を切り倒したりできるほどビーバーの歯は丈夫です。 外見はリスと似ていて大きな前歯が特徴です。この前歯を門歯と言います。 この門歯は丈夫なのはもちろん、なんと一生伸び続けるそうです。
伸び続けると言うことは放っておくと大変なことになりそうですよね。 でも、毎日堅い木や木の実をかじるのですり減ってしまいます。 このようにすり減るので伸び続けなければならないのですね。
ビーバーは齧歯(げっし)目の中でももっとも頭が良いという説もあります。 事実、ビーバーのダムはすばらしい完成度です。 また、ダムを常に監視していて水面を調節したり、壊れるとすぐに補修したりします。 集団で協力してダムを造ったりもするのでチームワークも良さそうですね。
最後にお知らせです。今年2005年から動物コラムの更新スケジュールが変わり、 毎月最終土曜日の更新になりますのでご了承ください。
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